しぶや助産院

在宅出産

在宅出産について

 妊娠初期から定められた妊婦健康診査と必要な検査を受けて頂き、分娩に望みます。助産師が、ご自宅に伺って妊婦健診を行う場合もあります。妊娠36週に入ると、お産に必要な物品などをお産予定の場所に運び込みを致します。酸素ボンベや薬剤、アンビューバッグなど、緊急時に使用する医療物品も含めて、分娩が安全になるように、準備を致します。
 お産の兆候があれば、助産師2名がご自宅に直行いたします。赤ちゃんがお生まれになって、母子の状態が安定し、問題が無いと判断できるまで、助産師は産婦さんと赤ちゃんの傍にいて、観察及びケアを行います。これらの助産師が行う判断やケアは医療機関の助産師が行うものと同様です。
 分娩後は、産後の母子の観察とケアのために、毎日助産師がご自宅を訪問します。当院の場合は、その期間は、分娩当日からおおよそ5日間としています。
 在宅出産中、又は産後に異常があると判断した場合は、速やかに医療機関に搬送し、母子の安全のために診療を受けて頂きます。

【在宅出産の豆知識】

 第2次世界大戦以前は、日本では、約98%の妊婦さんが産み場所を自宅にしていました。
 現在では、ご自宅やご実家をお産の場所に選ぶスタイルの「在宅分娩」を希望される方は、0.1~0.2%程度です。在宅分娩が危険だとする考えは根強いのですが、2020年にランセットから文献が出されました。
 その文献では「100万人のデータ分析において、自宅で出産する予定の人は、産科医療介入(帝王切開術、手術的な経腟出産、硬膜外鎮痛、会陰切除術、オキシトシン増強) を経験する可能性が低いこと、また、新生児の周産期死亡率、新生児死亡率または罹患率が病院出産と比較して増加はないと報告されています。計画的に在宅出産を行う場合、ローリスクの女性にとって、在宅での分娩が安全であることが研究により報告されています。

(参考文献)
EClinicalMedicine 21 (2020) 100319
Contents lists available at ScienceDirect
EClinicalMedicine
journal homepage:
https://www.journals.elsevier.com/eclinicalmedicine

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